夏休みの読書と自転車とカルピスと、あの贅沢だった時間について思い出したこと
子供のころの夏休みの楽しみの一つが、「○○文庫の100冊」といった類の各出版社から夏に出される小冊子を書店からもらって来ることだった。カラフルでおしゃれなイラストがいっぱいのその冊子を何度も眺め、自分のまだ読んだことのない本の紹介文を読みながら、いろいろ想像した。...
View Articleたねやの末廣饅頭を食べながら、秀次の人生とKADOKAWA映画ばりのブルジョワ家庭のお坊ちゃんの事を思い出したこと
「たねや」の末廣饅頭(すえひろまんじゅう)が食べたくなって、家人を連れて近江八幡を訪れた。残暑のまっすぐな青空が頭上いっぱいに広がる休日だ。...
View Article芝居のチラシを見て、演劇と演技を考え、バイオリンと旧車の曲線美を思い出し、芸術の秋を感じたこと
古いアルバムの積み重なった隙間から芝居のチラシが出て来た。休日に部屋で衣替えをしているうち、アレ、これ懐かしい本だぞ、なんて読み出して、衣替えは遅々として進まず、ついでにCDラックはもう邪魔だから捨ててしまおうか、なんてあれこれ引っ張り出しているうちに部屋がどんどん乱雑になり、遂に怒られ、ハイハイやりますよって片づけていたら、懐かしいそのチラシを見つけた。...
View Article飛鳥鍋を食べて古墳の周りを散歩しながら、「気まぐれ」の歴史に思いを馳せたこと
明日香村へ飛鳥鍋を食べに行った。その土地で古来から食されて来た牛乳の鍋である。毎年冬になるとソワソワして、「飛鳥鍋を食べたいねぇ」なんて休日の何気ない会話が始まる。そして家人を乗せてビュンと車で走って食べに行くことになる。...
View Article映画「ドライブ・マイ・カー」を観て駐車場バイトをしていた頃の青春の日々を思い出し、大切な人と気持ちを共有するって何か考えたこと
、 学生の頃、駐車場バイトというのをやっていて、マンションの機械式駐車場の受付をする仕事だった。駐車場はもちろんマンションの住人も使えるが、外部からやって来る客もいるので、そんな外部からやって来る客の乗りつけた車を、中に誘導したり、ターンテーブルを操作して車の向きを回転させたり、駐車代を受け取ったりする仕事だ。...
View Article映画「PLAN75」を観て、病院食のちらし寿司を食べながら1+1が明るく10,000に化ければいいのになって気まぐれで思ったこと
「PLAN75」という映画をAmazonプライムで観た。75歳以上になったら、特に健康上の理由がなくても、希望すれば安楽死を選択できるという、国の制度の話だ。...
View Article路上で賑やかにご飯を食べている異国の家族たちの様子を横目で見ながら、映画「シェルタリング・スカイ」に出てくる夫婦と三島由紀夫と、そして自分の大切な人を想ったこと
2023/08/03 中国の文化の大きな部分に食(しょく)が占めているのは有名だけど、実際にこちらで市井(しせい)の人々と接していて、彼らの食(しょく)へのこだわりを見せつけられると、なるほど、頭で理解している以上に、この国では「食べる」ということが人生で大きな意味を持っているんだなぁ、と改めて気づかされる。...
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